新型コロナウイルスなど感染症の危機に備えるため、岸田文雄首相は、科学的知見の基盤となる新たな専門家組織「日本版CDC」の創設を表明しました。米疾病対策センター(CDC)の日本版となる専門家組織は、どんな役割を果たすべきなのか、2012年から「Japan CDC」創設を提言してきた「日本医学会/日本医学会連合」の門田守人会長に聞きました。
コロナ対策、科学的な判断で得られる協力
――岸田首相が日本版CDCを立ち上げ、司令塔として感染症危機管理庁の創設も打ち出しました。どう評価しますか。
今はないものを立ち上げるということで、一歩でも半歩でも前に進むことは間違いないと思います。
これまで厚生労働大臣や新型コロナ対策担当大臣、ワクチン接種担当大臣など何人も関係する大臣がいて、国民は司令塔がどこでどうなっているんだろう、という風に感じていたでしょう。
そういうものが一つになって、一元的に物事が進むなら前進です。
ただ、一元化すれば問題が解決するのかというと決してそうではないと思います。
一番大きな問題は、日本のコロナ対策が科学的な根拠をもって正しく判断され、国民に理解され、協力されているとあまり感じられなかったところです。
司令塔ができたとしても、そこから出される指示が科学的根拠に基づいたしっかりしたものになるかどうかが重要です。
ですから司令塔機能を強調するより、まず科学的なデータに基づいて分析する。
そこから取るべき方法論が出てくるので、その対策のもとに司令塔が指示する、という形をとらなければめざすものは実現しないと感じます。
質の高いデータを収集、集積 体制整えなければ
――その分析や取るべき方法論を示すのが日本版CDCの役割になるとお考えですか。
言い続けてきたのは、質の高…
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