第5回「みんなが期待する自分」への葛藤 あるトップ選手が仮面を外すまで

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編集委員・中小路徹
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 「とても興味深い取材です。私自身の体験や、私が見てきた周りの事例も含めて、お話しできればと存じます」

 丁寧な前置きとともに取材に協力してくれたのは、かつて国内トップクラスの成績を収めた元フィギュアスケーターだ。

 その競技特性もあって、小さい頃から専門的な練習に向き合う必要があるフィギュアスケート

 子どもたちが心身の健康を保ちながら競技に打ち込める環境やサポート態勢は――

10月15日、記者サロン「子どもたち、スポーツつらくない?」

フィギュアスケートの英才教育のリアルについて、コーチの林渚さん、スポーツ教育学者の平尾剛さんと議論します。ぜひご試聴ください。

 競技生活を振り返りながら、自身の考えを示唆深く語ってくれた。

 フィギュアを始めたのは6歳の時だ。母親の勧めで教室に通ったのがきっかけ。始めた頃は、週3回のペースだった。

 小学2年生ごろから練習はほぼ毎日に。高学年になると、6時からの朝練も始まった。登竜門と位置づけられる全日本ノービス選手権で3位に入ると、練習の頻度は上がっていった。

 朝練が始まると、学校の始業に間に合わない日も生じ始めた。寝不足にもなり、「授業に支障がなかったとはいえませんでした」という。

 多少つらくても当たり前、と感じていた。

 「どの程度が年齢に見合う練習か、難しいところです。朝練して学校に行き、放課後にリンクに行き、夕方に練習し、夜も練習する。24時間の中で休んでいる時間がほぼない状態という意味では、負荷の高い環境ではありました」

 「恥ずかしいのですが、勉強は、中学まではほぼ、ないがしろにしていました。劣等生でした」

 スパルタ的な反復練習も体験…

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    後藤太輔
    (朝日新聞スポーツ部次長=子供、社会)
    2022年7月8日11時52分 投稿
    【視点】

     勇気ある提言です。本来なら、提言する人は尊重される存在だと思います。しかし提言するためには、ネガティブな事実や課題を指摘し異論を言うことになる。すると、狭い社会の中で疎まれ、遠ざけられてしまうので、それを恐れて発言をためらう傾向があります

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