3年前の夏。ヒオカさん(27)は、派遣の仕事で、商業施設の化粧品イベントを転々としていた。どの現場でも、社員の美容部員に必ず言われることがあった。
「勤務中、私たちも水を飲まないので、控えて下さいね」
買い物客を呼び込む仕事だが、3時間立ちっぱなしでフラフラした。もう限界。社員に水分補給を申し出ると、こう言われた。
「ここから離れて、隠れて飲んで下さい」
ペットボトルを見えないように抱きかかえ、階段裏でこっそり飲んだ。
「クレーム対策なんだろうな」
接客業の現場では、「お客さんの前で、水を飲んではいけない」というルールが徹底されていた。
他の現場にも、特有のルールがあった。
記事の後半では、職場や社会のあちこちにある「謎ルール」にとらわれ、理不尽なことにならされていないか、と問いかけるヒオカさんが気づいたことを明らかにします。
「ルールはルールだから」の一言でまひする感覚
「売り場からバックヤードに…
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- 【視点】
20~30年ほどの間に全国的に校則が細かくまた厳しくなってきたと考えられるなかにあって、福岡県の高校2年生を対象に、2001年、2007年、2013年と3時点にわたって実施された調査では、「学校で集団生活をおくる以上、校則を守るのは当然のこ
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