とっちらかってる?「全部つながってる」 子どもの居場所の仕掛け人

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聞き手・上野創
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 過疎に悩む山あいの町で、何を目指すのか。京都府の旧美山(みやま)町(現・南丹市)で、子どもたちにロードバイクを貸したり、さまざまな体験の機会を作ったりする拠点「CYCLE SEEDS(サイクルシーズ)」。運営者の「ブラッキーさん」こと中島隆章さんに聞いた。

 子どもらしいことをもっと体験せなあかん。学校だけに教育を任せるのはちゃうやろ。そんな思いで、ロードバイクの教室や田んぼ、デンマークとの交流をやってきました。「とっちらかってるで」と言われたけど、「全部つながってるやん」と思っています。

 ロードバイクの面白さや走るマナーを伝えてきたけど、もっと広いんですわ。体験教育と地域の振興、環境や農地の保全、海外との交流、すべて関わる拠点になっています。

 元は、既に成人している息子が小さいころ、「自転車が好き」と言ったのが始まりです。

 僕は大阪でデザイン会社を経営していました。運動不足でえらい太って、自転車屋で「お父さんも一緒にやったらええやないですか」と言われ、乗るように。すぐにロードの面白さに夢中になりました。

 20年ほど前、「美山ロード」(京都美山サイクルロードレース)に出たのがこの町との出会い。伝統のレースで、交通規制をして公道を周回できる貴重なレースです。町内の走りやすさや、風景の素晴らしさが印象に残りました。

自転車の聖地プロジェクトを開始

 古民家を見つけ、2009年に移住し、田んぼも始めました。

 ただ、来てみたら町内でロードバイクに乗る人はすごく少ない。過疎が問題になっていたから、ロードを核とした地域おこし、「自転車の聖地プロジェクト」を始めました。

 サイクリングマップを作ったり、バイクスタンドをいろんな場所に置かせてもらったり。町の魅力を知ってもらうライドイベントは、参加が1千人を超えるようになりました。

 それ以前の06年から、僕はベルギー発祥の子ども向けの自転車教室「ウィーラースクール」を開いていて、関西以外からも頼まれるようになっていきました。

 こうした活動の拠点がほしいと思うようになり、寄付をいただいて、自宅前の土地に建てたのが「サイクルシーズ」です。

 ただ、その後はデザインの仕事や田んぼで忙しかった。毎週、奈良芸術短大で非常勤講師として教えていて、ウィーラースクールや自転車関連の講演のために自宅にいないことも多かったから、地元の子らにもっと関わりたいけど時間が足りんなと思ってました。

 あるとき、それが一変しまし…

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