「有休を取った翌日に『すみません』と言う」「水分補給は隠れてする」――。多くの職場に見られる、こうした「謎ルール」をたどると、髪形や服装を細かく規定する「ブラック校則」に行き着くように思います。
気づけば、子どものころから周りにはびこっている理不尽なルールはどうして生まれ、私たちに何を植え付けているのでしょうか。名古屋大大学院の内田良教授(教育社会学)は「身近な理不尽を変えた経験がないことが、政治への無関心にもつながっている」と指摘します。
――職場の「謎ルール」は学校の「ブラック校則」の延長線上にあるように思います。社会にはなぜ、こんなにも理不尽なルールがあふれているのでしょうか。
ブラック校則は多くの学校にあります。そこでは理不尽に耐えるトレーニングをしているようなものです。そうした校則感覚を持ったまま大人になり、上から言われた通りに従う企業文化が作られていると思います。
一方、学校では先生たちが「企業社会ではこうだから、学校で教えるんだ」と言い、厳しい校則指導をしています。企業の理不尽な文化を先取りして、子どもたちに強制しているのが現状です。お互いに文化をつくってしまっている悪循環があると思います。
理不尽なルールへの「慣れ」が導くものは
――こうした「ルール」は、私…
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- 【提案】
【社会を変える成功体験を学校で評価する】 選挙期間中に、校則を変えることが政治意識の向上につながるという記事が出るのは大変意義があることだと思います。私は4ヶ月ほど、イギリスやフランスなどヨーロッパの政治参加について取材をしてきました
- 【視点】
これって会社組織も同じだと思います。 昔は効果を発揮したけど、今は通じない旧来のやり方に縛られてしまう。 イノベーションのジレンマを感じていても「だったら変えてしまえ」という発想に至らないし、組織が至らせない。 なぜなら当