アフガン東部で地震、死者1千人超か 救助作業難航、さらなる被害も

ニューデリー=石原孝
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 米地質調査所(USGS)によると、アフガニスタンの東部ホースト州で22日午前1時24分(日本時間午前5時54分)ごろ、強い地震があった。イスラム主義勢力タリバンの暫定政権によると、少なくとも920人が死亡し、610人が負傷した。被災地は山岳地帯にあり、被害の全容は分かっていない。犠牲者はさらに増える可能性がある。

 国営バフタル通信は死者が千人を超え、1500人以上が負傷したと伝えた。タリバンの災害対応の担当者は22日の記者会見で、被災者に支援金を提供すると説明し、国際機関に支援を要請した。

 USGSによると、震源は隣国パキスタンとの国境近くで、マグニチュードは5・9、震源の深さは約10キロという。被災地は山がちで都市部へのアクセスが悪く、インフラが十分に整っていないため救助作業は難航している模様だ。

 被害が大きい東部パクティカ州に住むサイード・ムハンマドさん(65)は自宅で就寝中に大きな揺れを感じ、起きた。「ここまで大きな地震は人生で初めて。1分近く揺れた」。自宅は損壊を免れたが、震源地の近くに住む知り合いの男性は自宅が倒壊。妻や子どもたち6人を亡くし、本人も腕や足を負傷したという。

 ムハンマドさんによると、被害が大きかった地域では経済的に厳しい家庭が泥や岩で家を建てることが多く、地震前には雨が降って壊れやすい状態だったという。地元メディアは倒壊した家屋や、住民が負傷者を毛布にまいて搬送する様子を動画で伝えた。

 アフガニスタンでは昨年8月にタリバンが権力を掌握し、米国などが支援してきた政権が崩壊。各国の大使館や支援団体の多くが撤退しており、迅速な支援の実施は難しい情勢だ。

 同国では米国による資産凍結などで経済が停滞しているほか、折からの干ばつで農業生産も打撃を受けている。国連世界食糧計画(WFP)は5月、アフガニスタンの人口の約半数にあたる1970万人が深刻な飢餓に直面していると発表していた。

 アフガニスタンからパキスタンにまたがる地域は、7千メートル級の峰が連なる山岳地帯で地震が多い。2015年にはアフガニスタン北東部を震源とする地震で、パキスタンと合わせて300人以上が死亡した。(ニューデリー=石原孝