観光船沈没、忘れられない慟哭 安置所で家族を支え続けた町職員

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戸田拓
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 知床半島沖の観光船事故は北海道斜里町で起きた。町職員は語る。事故と向き合い、乗客の家族を支えた日々を。=敬称略

 「遭難者が見つかった」

 4月23日に起きた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故。保健福祉課長の玉置創司(45)の事故対応は、発生翌日の午前5時過ぎ、携帯に上司のメッセージが届いたところから始まった。

 斜里町の職員は事故直後から、現地を訪れた乗客の家族に寄り添い続けてきました。幼い女の子一家への配慮。家族とともに名所を訪れた時。これまで明らかになっていなかった当時の出来事を語ってくれました。

 遺体が発見されたら、町が安置所の設営をすることが決まっていた。前日のうちに関係する職員に声かけはしていたが、「海が荒れていたら、なかなか見つからないだろう」と想像していた。

 カズワンの事故が起きた4月23日、斜里町では朝方15度ほどだった気温が、昼から3度ほどにまで下がっていた。「春にはよくある天気だが、この時期の海での事故に、誰もが厳しい状況を覚悟していた」

 大勢が関わる海難事故が起き…

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    水野梓
    (withnews編集長=生きづらさ)
    2022年6月23日11時32分 投稿
    【視点】

    知床半島沖の事故。町や海保の職員の皆さんが、ご家族のつらい思いを推し量り、いかに心配りをしていたかが伝わってきます。 <「ドアの外にいても、いま対面したんだ、とすぐわかる声だった」 玉置は発生直後、遺体が安置されている体育館に響いた