ヒロド歩美さんの球児への手紙500通 「寄り添いたい気持ちが…」

聞き手・小俣勇貴
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 高校野球の魅力と「バーチャル高校野球」の楽しみ方について、全国選手権大会期間中に放送される「熱闘甲子園」でキャスターを務めるABCテレビアナウンサー、ヒロド歩美さん(30)に語ってもらった。

 高校野球の熱量を初めて体感したのは、朝日放送に入社が決まって研修で訪れた阪神甲子園球場でした。通路からアルプス席に出た瞬間、「なにこれ!?」って。球児の全力プレーだけでなく、ブラスバンドの演奏や観客のざわめきにすごいパワーを感じました。

 入社するまで野球は詳しくありませんでした。でも、高校野球の取材を重ねていくうちに気づいたんです。ルールが分からない人でも、1イニング見るだけで感動できるポイントがたくさん見つかるんだって。

 例えば、全力疾走や「笑顔でいよう」という声かけ。当たり前のような行動にも、球児の懸命な思いが込められています。グラウンドの選手がスタンドの控え部員に向かって拳を突き上げる場面では、絆を感じて胸が熱くなります。

 フィールドの中だけではありません。ブラスバンドや保護者、球児を支えるすべての方々が熱い思いをもっています。いろんな物語が球場中にちりばめられている。それってすごいことですよね。

 私の夏に、「バーチャル高校野球」は欠かせません。仕事の空き時間はスマホをフル稼働。各地のライブ中継をチェックしています。ほかにも使えるタブレットがあれば、複数の試合を同時に見ることも。特に、取材をしたことがある学校の試合は見逃せません。スマホも私の気持ちも、めっちゃ熱くなります。

 中継のない時間帯は記事の一覧ページを見ます。心温まるたくさんのストーリーに出会えるから。野球経験者でなくても、活力や人生の学びを得られることが高校野球の魅力だと思います。

 その晴れ舞台が、ここ2年はコロナ禍に苦しめられました。全国選手権大会が中止となった2020年、全国各地の約500校の野球部に手紙を出しました。自己満足かもしれないけど、「少しでも気晴らしになれば」と思いを込めました。

 以降、バーチャル高校野球にもアップされている企画動画「ヒロド歩美の全力!高校野球取材」では、手紙を送った学校に足を運んでいます。今春の選抜大会で準優勝した近江(滋賀)では手紙を飾ってくれていました。「本当に小さいけれど、力になれたのかな」と感じています。球児に寄り添いたい気持ちはいまも変わりません。

 さあ、夏がいよいよ本格化します。球児のみなさんが、野球を始めたころから憧れてきた甲子園をめざす戦いです。長い人生の上では一瞬かもしれないけど、同じ目標を持った仲間と一丸になれる時間をしっかり胸に刻んでほしい。私も、そんな瞬間を取材して伝えていきたいです。一緒に、熱い夏を過ごしましょう。(聞き手・小俣勇貴)

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 ひろど・あゆみ 1991年、兵庫県宝塚市生まれ。兵庫・小林聖心女子学院高、早稲田大卒。2014年、朝日放送に入社。「熱闘甲子園」のほか、テレビ朝日系列の「サンデーLIVE!!」などを担当。