コロナ禍でマスクを着用することが日常となって顔の鼻から下が見られないことに違和感がなくなっている人も多いのではないでしょうか。では、コロナ禍はいわゆる「美意識」を変えたのでしょうか。「美人論」などの著書がある、国際日本文化研究センターの井上章一所長に聞きました。
井上章一さん
1955年生まれ。建築史、意匠論のほか、日本の風俗・文化について幅広く研究する。主な著書に「日本の醜さについて」など。
――そもそも「美人」とは、どんな人を指すのでしょうか。
人の美しさを判断する基準は、眉、目、鼻、口といったパーツの「バランス」だと考えています。
「スタイルの悪い美人」は日本語として成り立ちます。「心ばえのひどい美人」もありうる表現です。
でも「目鼻立ちのバランスが悪い美人」という文章は、まず見かけません。それは「美人」が「目鼻立ち」で決まると思われているからです。
――いつの時代も「美人」は変わらないのでしょうか?
もし、美人かどうかが顔以外…
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