私たちはまだ沖縄戦を知らない 報道の空白と教科書から消えた記述と

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

那覇総局長・木村司
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 8月が近づくと、盆休みや甲子園を真っ先に思い浮かべつつ、カレンダーを見れば、広島原爆の日や、終戦記念日を思う人も少なくないのではないでしょうか。

 では、6月といえば。梅雨入りし、アジサイが咲き――。そうした季節のなかで、沖縄の慰霊の日を想起する人はどれだけいるでしょう。6月23日、という文字をみてさえ、すぐに思い至る人は少ないというのが、この十数年、慰霊の日の取材にかかわるなかで抱いた実感です。

 一方の沖縄では、地上戦が続いた5、6月ごろの蒸し暑い季節になると、当時の体験がよみがえり、体調を崩す方もいます。

 上皇さまは皇太子時代の1981年に「日本では、どうしても記憶しなければならぬことが四つはあると思う」と話しました。四つとは「8・15」(終戦記念日)、「8・6」(広島原爆の日)、「8・9」(長崎原爆の日)、そして「6・23」です。それぞれ慰霊祭などの時刻にあわせて黙禱(もくとう)しているとも言います。

 その発言から40年あまりが過ぎますが、6月23日の慰霊の日は日本社会で定着したでしょうか。

 思い立って調べてみたのが、8・6と、6・23をめぐる朝日新聞紙面での報道ぶりです。結果は予想以上のものでした。

 広島市が主催する平和記念式…

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    林尚行
    (朝日新聞政治部長=政治、経済、政策)
    2022年6月23日21時8分 投稿

    【視点】新聞記者の第一歩を広島から踏み出し、社会部を経て政治報道に携わるようになり、初めてのデスク業は西部本社で沖縄も担当した身にとって、今日は特別な日です。まさに6月23日、8月6日、8月9日、そして8月15日は、毎年心を静かに慰霊の気持ちを持っ

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    木村司
    (朝日新聞那覇総局長)
    2022年6月23日20時4分 投稿

    【視点】「平和願う」では言い尽くせない  この日のこの場所のたたずまいをどう伝えればいいのか。現場で取材するのは今年で12回目になるが、「平和願う」などとシンプルに言ってしまうには躊躇(ちゅうちょ)がある。6月23日の慰霊の日、沖縄戦犠牲者ら