夏の電力不足解消へ 老朽火力発電所を再稼働 運転開始から40年超
東京電力と中部電力が出資する火力発電会社「JERA」は7~8月、懸念される電力不足に対応するため、老朽化して休止中だった火力発電所2基を臨時で再稼働する。電力需給は一定の余裕が生まれるが、政府は状況はなお厳しいとして節電を呼びかけている。
再稼働するのは、千葉県市原市の姉崎火力5号機(出力60万キロワット)と、愛知県知多市の知多火力5号機(同70万キロワット)。
22日には、再稼働に向けて点検作業中の姉崎5号機が報道陣に公開された。運転開始から40年以上たち、外壁は塗装がはがれ、さびも目立った。亀井宏映所長は「設備の点検は時間がないが、電力が足りないときに無事、発電できるように頑張っていきたい」と話した。
政府はこの夏、7年ぶりに全国規模の節電要請を出す。経済産業省によると、電力供給の余裕を示す「予備率」は7月は東北、東京、中部の各エリアで3・1%と、安定供給に必要な3%をわずかに上回る水準まで低下する見通しだった。今回の発電所2基の再稼働で、三つのエリアの予備率は1%ほど改善する。
再稼働にかかる費用は、送電線の使用料(託送料金)に上乗せされ、消費者が事実上負担する。姉崎5号機は今年1~2月も電力不足に対応するために再稼働していた。(宮川純一)
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