核兵器を世界からなくすべきだと思いますか。
大阪市住吉区の私立建国高校の生徒たちがこんな問いから、核兵器の問題を考えていく活動を始めた。
6月22日夜、建国高校の一室に生徒4人が集まっていた。オーストリア・ウィーンで開かれている核兵器禁止条約の締約国会議に合わせ、現地入りした大学生たちとオンラインで意見交換するためだ。その様子はライブ配信した。
「これまで核兵器は『使う側』の視点で考えられてきた。それがここ10年ほどは『核兵器が落とされたら何が起こるか』という視点で議論されるようになった。それを象徴するのが核兵器禁止条約だ」
学生団体「KNOW(ノー) NUKES(ニュークス) TOKYO(トーキョー)」(KNT)の共同代表で慶応大4年の高橋悠太さん(21)がウィーンから報告した。
広島出身の高橋さんはこう続けた。
「広島、長崎には核兵器が使われて今も苦しんでいる人がいるのに、世界には1万3千発もの核兵器がある。私たちは、核の被害にいつ遭うかもわからない当事者の視点で、『未来に核兵器を残したくない』という声を上げていくべきだ」
この取り組みを企画した一人で建国高校2年の黒崎斗真(とうま)さん(17)は「(締約国)会議を開くこと自体が、世界全体で核兵器廃絶の空気をつくっていると示す機会になると思う」と発言した。
生徒たちと大学生との議論は1時間に及んだ。
「模擬締約国会議」に参加して
黒崎さんが「被爆体験」に初めて触れたのは、今年1月だった。
KNTがオンラインで開いた…