第9回義務化すれば上げられるのか、低い投票率 政治不信の国の処方箋

有料記事参院選2022

聞き手 編集委員・豊秀一
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 選挙のたびに、投票率の低さが話題になります。2019年の前回参院選では、過去2番目に低い48・8%でした。一方、海外を見渡すと、投票を義務にして9割近い投票率を記録するベルギーのような国も。「明るい選挙名古屋市推進協議会」会長を務め、投票率の向上に関する論考を発表してきた小野耕二・名古屋大名誉教授に、投票の義務化をどう考えるか、話を聞きました。

投票の義務化、あなたの考えは?

投票の義務化について、アンケートを実施しています。どなたでも回答できます。

 ――投票が義務化されているベルギーでは9割近い投票率が続いています。この制度をどうお考えでしょうか。

 「投票率の低下問題に対する処方箋(せん)として、有権者に投票を義務づける『強制投票制度』は選択肢の一つではあります。ベルギーやオーストラリアなど30カ国近い国で義務制が採用されています」

 「しかし私自身は、政治への信頼度が低い我が国で、義務制で投票率を上げることには反対です。自覚的に政治を分析して判断する能動的な市民を増やしていくことが、政治に関わる者の責務であり、政治教育の充実や政治への信頼を増大させることにまず力を注ぐべきだと考えるからです」

 ――投票の義務化は学界でも議論になっているのでしょうか。

 「政治学の世界で強制投票制…

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    磯野真穂
    (人類学者=文化人類学・医療人類学)
    2022年6月28日7時48分 投稿
    【視点】

    政府や国会、政党など『政治を担う側』の組織に対する信頼度が著しく低いのが日本の特徴とあるので、ここで挙げられているベルギーやオーストラリアはどうなんだろうと思い、経済協力開発機構のデータを参照してみました。得られたのは、政府に対する各国の信

参院選2022

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