漫画、芸術、ベンチャー… 担い手が福岡に続々と移住 そのわけは?

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編集委員・大鹿靖明
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現場へ! 福岡はすごか⑤

 佐渡島庸平(42)は昨年4月、妻と3人の子といっしょに東京から福岡に越してきた。

 講談社で「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」をヒットさせた編集者。2012年に退職後は、クリエーターのエージェント(代理)業務を担うコルクを創業した。いま、小説家や漫画家ら40人と契約している。

 コロナ禍以降、東京ではリモート業務で、毎日オンライン会議システム「Zoom」で打ち合わせの日々。ならば東京にいる必然性がない。

 子供は小学生3人。できれば自然豊かなところに暮らしたい。しかも東京と往来しやすいところをと考えると、「福岡だな、と」。

 縁もゆかりもなかったが、「福岡の、コンパクトシティーのインパクトが大きかった」。中心部の天神や中洲、博多駅までタクシーで10分。車で東西に30分もいけば砂浜が続き、島もある。「それに若い人が多くて活気がある。老人の街になって生気のない他都市とは違う」

 佐渡島が声をかけ、近々2人の若手漫画家が引っ越してくる。そんな移住者を増やし、目指すは文化の地産地消。「食べ物で地産地消がいわれたように、地方都市でもプロデューサーがいれば、漫画や音楽や映像など文化の地産地消ができるはず」。佐渡島は、そんなプロデューサーたらんとしている。

 データセンター事業などを展開するさくらインターネット(大阪市)の共同創業者で、いまは投資家や起業支援家として活動する小笠原治(50)は10年、頻繁に訪問していた福岡に部屋を借りた。15年には住民票を移し、コロナ禍の20年に東京の自宅を引き払って移住した。

 いま、天神そばの旧大名小学校にできた市のベンチャー支援施設「フクオカ・グロース・ネクスト」の運営に携わる。さらに、投資ファンドをつくって地元の約30社に投資している。

 「ここは熱量がすごい」と感じる。1日から始まった博多祇園山笠に土地の人が投じるエネルギーこそ草創期のベンチャー企業に必要と言う。「やるぞと決めたときの集中力がベンチャーには大事。山笠に熱中する博多の人の気質にあっています」

 京都芸術大教授も務める小笠…

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