日本とロシア、切っても切れない水産業 「サケ・マス」異例の交渉

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初見翔、大野正美
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 ロシアのウクライナ侵攻は、日本の水産業にも影響を及ぼしている。漁船の操業に必要な対ロ交渉は難航。一方で、ロシア産水産物の輸入は急増した。日本とロシアの「切っても切れない」関係が、魚を通して見えてきた。

 はつみ・しょう 1989年生まれ。経済部で農林水産省を担当。3年前、ノルウェーで捕鯨船に同乗取材し、漁業の大変さを痛感した。

 5月3日午前0時。北海道根室市の港から4隻の漁船が乗組員の家族らに見守られながら出港した。太平洋側の200カイリ水域でサケやマスを狙う流し網漁だ。例年の解禁は4月10日だが、3週間あまり遅れての出漁となった。

 この時期のシロザケは「トキシラズ」と呼ばれ、脂の乗った高級食材として東京でも珍重される。ただ、漁期の初期に多くとれるため、出漁の遅れは痛手となった。「第88好恵丸」の船主、東野勝好さん(72)は「値段のよいトキシラズが少なく、安いカラフトマスが多い。ここ数年続く不漁の打開にはとてもいかない」と話す。

 出漁が遅れたのは、漁期や漁…

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    服部倫卓
    (ロシアNIS経済研究所所長)
    2022年6月27日10時24分 投稿
    【視点】

    一昨日のコメントで、「対ロシア制裁の徹底とともに、全人類的課題にかかわるものに関しては、例外を設けることも重要になってきていると思う」と申し上げた。 今回の記事は、それとは逆の意味で、ロシアとの関係性について、考えさせられるものだった。つ