第1回日本の政治は古くさい 英国政治に詳しいブレイディさん、なぜですか

有料記事参院選2022

政治部長・林尚行
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 参院選が公示され、各党の党首や候補者たちの訴えも熱を帯びてきました。参院選は、与野党どちらに政治のリーダー役を任せるかを決める「政権選択」ではなく、現政権の政策をチェックする定期試験のような「実績評価」だと言われています。ただ、国民生活を直撃している物価高や緊迫する安全保障環境など、考えなければいけない課題は山積です。私たちは何を手がかりにこの選挙に向き合えばいいのでしょうか。近代民主主義の「老舗」とされる英国に長く住み、現地の政治や社会を見てきたライターのブレイディみかこさんと語り合いました。(政治部長・林尚行

英国の国会中継を見て気づいたこと

 《林》 全議席の半数しか改選されない参院選は、いわゆる政権選択型の国政選挙ではありません。ただ、これまで何度も参院選を取材してきて、政権を左右する結果に何度も直面してきました。例えば、2007年参院選では自民党民主党に大敗し、当時の安倍晋三首相が体調不良もあってまもなく退陣。反対に、13年参院選では復権したばかりの安倍政権が大勝し、その後の長期政権へとつながりました。

 もちろん政権の形を左右しただけではありません。10年参院選以降、民主党政権が掲げた政策は失速していったし、13年参院選で長期政権に道筋を付けた安倍首相アベノミクスの旗を振り続けました。参院選の結果はまた、時の政権の「政策推進力」を左右した、とも言えると思います。長らく英国で民主主義を見てきて、どうですか。

 《ブレイディみかこさん》 今回、この対談の人選は間違っているんじゃないかと思いました。最近は政治時評を書いていないし、日本の政局もよくわかっていない。ただ、参院選がテーマだと聞き、英国からの視点で考えました。貴族院は首相の助言に基づいて女王が爵位を与えて就任する。首相の影響が大きい一方、終身で選挙がないので人気取りはしなくていい。下院が政局的に法案を通しても、「なぜこんな法案を通すのか」と、貴族院が正論をぶつけることがあります。

 日本の近年の参院選で印象に…

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    前田直人
    (朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター)
    2022年6月25日22時25分 投稿
    【視点】

    日本の政治システムは、議院内閣制をはじめ多くを英国に学んでいるわけですが、決定的に異なるのは、選挙制度だと思います。 英国は二大政党化を促す単純小選挙区制です。日本でも約30年前の政治改革の議論で政権交代可能な二大政党制が志向され、小

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    奥山晶二郎
    (サムライトCCO=メディア)
    2022年6月25日21時21分 投稿
    【視点】

    新聞社では、記者から原稿をチェックするデスクになると、途端に外に出なくなります。記事も書きません。いわんや部長をや……です。 これは外部環境が秒単位で変わるデジタルの時代、致命的なもったいなさを生みます。 DX化した記者を引き揚

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