「核抑止論は誤り」政治宣言とウィーン行動計画を採択 締約国会議

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ウィーン=岡田真実、福冨旅史、藤原学思
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 ウィーンで開かれていた核兵器禁止条約の第1回締約国会議は最終日の23日、核廃絶への決意を示す政治宣言と、批准国の方針を記した「ウィーン行動計画」を採択し、閉幕した。宣言では核保有国の「核の傘」の下にある国も「真剣な対応を取っていない」と批判。一方で、核保有国との対話もめざす内容になった。

 3日間にわたる今回の会議は、ロシアが核兵器の使用をちらつかせる中で開かれた。核抑止の議論が盛んになり、核軍縮をめぐる各国の分断も広がる。

 政治宣言は「核兵器の完全な廃絶を実現するという決意を再確認する」とうたい、核禁条約を「基礎となる一歩」と表現した。核兵器の人道的影響については「壊滅的で対処することができない」とした上で、核兵器を「生命に対する権利の尊重とは相いれない」と断じた。

 核抑止論は「地球規模の破滅的な結果をもたらすリスクを前提としたもの」として、「誤りだ」と批判。核保有国や「核の傘」にある同盟国について「真剣な対応を取っていないどころか、核兵器をより重視している」と訴えた。

 一方、ロシアを名指ししての「核の脅し」に関する文言は入らなかった。

 行動計画は、条約の批准国を増やす道筋▽核廃絶への取り組み▽核被害者への支援▽条約の効果的な履行に向けた科学的、専門的助言の制度化▽核軍縮・不拡散体制における核禁条約の位置づけ――から構成され、計50項目ある。

 行動計画の採択に先立つ23日の議論では、核関連の専門家最大15人による「科学諮問グループ」や、核保有国が参加する核不拡散条約(NPT)との協力分野を探る「非公式ファシリテーター」を設けることを決めた。専門的な知見をとり入れながら、核軍縮・不拡散体制の礎であるNPTの補完をめざす。

 また、22日には核兵器を持…

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    副島英樹
    (朝日新聞編集委員=核問題、国際関係)
    2022年6月24日11時58分 投稿
    【視点】

    歴史的とも言える核兵器禁止条約第1回締約国会議は、核廃絶への決意を示す政治宣言と、批准国の方針を記した「ウィーン行動計画」を採択して閉幕しました。この記事が指摘しているように、核保有国の「核の傘」の下にある国も「真剣な対応を取っていない」と

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年6月24日9時34分 投稿
    【視点】

     核抑止論は誤りであるという主張には様々な理由があります。圧倒的な破壊力を持つ兵器で報復するぞという姿勢で相手に攻撃をさせないという考え方がそもそも非人道的であること、しかしそうした自衛の論理で核兵器を持つ国が増えるばかりで国際秩序が不安定

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