コロナ禍で苦しんだホテル本能寺、修学旅行生の粋な計らいに感激

小西良昭
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 修学旅行生たちが食べた朝食を片付けていて、旅館のスタッフらはいくつものメッセージに気づいた。

 京都市内の旅館「ホテル本能寺」。全国の修学旅行生をお得意様とするが、コロナ禍の直撃を受けた。

 昨年と一昨年は修学旅行の中止が相次ぎ、一般客も含めた宿泊者数は例年の7割減になった。

 昨年秋から修学旅行生が戻り、活気が戻ってきた。そして今年の6月11日朝。スタッフらが見つけたのは、こんなメッセージだ。

 〈3日間 美味(おい)しいご飯をありがとうございました!〉

 〈一生の思い出です〉

 お膳の代わりの敷紙や箸袋に書かれていた。

 副料理長の小貫隼人(おぬきはやと)さん(32)は「裏方仕事で、お客様の声をじかに聞けないのでとてもうれしい」と話す。

 この「置き土産」を残したのは、埼玉県新座(にいざ)市立第二中学校の修学旅行生。3年生と引率者が2泊していた。

 伊藤進校長(61)は、JR京都駅まで見送りに来た旅館スタッフにこの話を知らされた。教師は生徒に何も指示していなかった。「今回旅行に行けたのがうれしくて、いっそう、感謝したかったのでしょう」

 支配人の小林訓(さとる)さん(51)は「また頑張ろうという気持ちを与えてもらった。修学旅行生の受け入れはいいなと改めて思う」と話した。(小西良昭)