「唯我独尊」NATO拡大を念頭に批判 BRICS首脳会議で習主席
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は23日、オンライン形式で開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議で「一部の国が軍事同盟の拡大により絶対的な安全保障を求め、他国の権益を無視して唯我独尊を大々的にやっている。このような危険な勢いが続けば、世界はさらに動揺し不安定になる」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)の拡大へ動く欧米を念頭に強く批判した。
会議には、ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相らも参加。習氏は「世界に目を向けると、冷戦思考と強権政治の暗雲が晴れない」と危機感を示し、「BRICSは真の多国間主義を実践し、覇権主義やいじめ、分裂に反対すべきだ」と訴えた。
そのうえで、中ロ印のほかブラジル、南アフリカの5カ国で運営してきたBRICSについて「閉鎖的なクラブでも、排外的な小グループでもない。互いに助け合う家族であり、良き協力パートナーだ」と強調。「新たな血を取り入れることが活力をもたらし、影響力を向上させる。志を同じくするパートナーを早期に加盟させるべきだ」と語った。
首脳会議に先立ち22日に開かれたビジネスフォーラムには、アルゼンチンやタイなど13カ国の関係者が参加した。中国はBRICSの拡大路線を積極的に打ち出している。(北京=冨名腰隆)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら