悲しい歴史が生んだ港町の反骨心 YS横浜が示すトガった生き方

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潮智史
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 Jリーグまでたどりついた足取りと立ち振る舞いは、58あるJクラブのなかでも異色だ。

 「勝つことを求めるのはスポーツとして当たり前。だけど、もっと大切にすべきものがあるので」

 プロの世界に身を置きながら、J3のYS横浜の吉野次郎理事長(57)はこんなことをさらりといってしまう。

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 2021年度の年間収益2億5200万円は58クラブのなかで最も少ない。経営規模からすれば、J3で最下位にいるのも仕方がないように思える。

 ただ、ピッチの外に目を向ければ、このクラブの存在感はむしろ際立つ。

 福祉団体と共に行う健康指導、貧困国へのボール寄付、難民支援……。

 「カネにもならない活動ばかりして、意味があるのか」

 そんな声は外からだけでなく、ときにはクラブ内からも聞こえてくる。

 吉野さんの反論はこうだ。

 「スポーツを通じて、人々の心と体の健康と街を元気にすることを大切にしてきた。『地域はファミリー』という理念をなくせば、クラブの存在意義はない」

 YS横浜がかたくなに地域や社会、ひととのつながりを重視してきた背景には、街クラブとして再生せざるを得なかった悲しい歴史が横たわっている。

 横浜市中区にはかつて、19…

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