海岸の3割が消え、沈む漁村 カカオで有名なガーナで何が?

フベメ〈ガーナ南東部〉=遠藤雄司
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 チョコレートの原料となるカカオ豆の生産で有名なアフリカ西部ガーナ。その海沿いの村々が、波による海岸浸食によって地上から消えつつある。

 ダム建設や砂の違法採取など人間の経済活動が影響しているほか、気候変動による海水面の上昇なども原因と指摘される。海岸に暮らす人々の暮らしが脅かされている。

 ガーナ南東部にある漁村フベメは昨年11月、暴風雨にともなう高潮に襲われ、村人4人が亡くなった。フベメ周辺では急速な海岸浸食が進んでおり、住民全員がかつて暮らした住居を捨てて内陸に移住してきたが、今回はその移住先の集落まで被害に遭った。

 ガーナ大学のクワシ・アド教授によると、①フベメ付近を流れる川の上流にダムが建設されたことで、砂浜を維持するために必要な土砂の供給が妨げられた、②付近で砂浜の砂の採取が行われた、③気候変動によって海水面が上昇した――ことなどが、浸食が急速に進んだ原因と考えられるという。

 ガーナ全体についても調べたところ、2005~17年に海岸線の土地の約37%が浸食によって失われたという。

 さらに、海岸浸食は西アフリカ全体にも広がっている。

 世界銀行の研究チームによると、ベナン、コートジボワール、セネガル、トーゴの4カ国では、海岸浸食や洪水などにより、17年だけで約38億ドルの損失が生まれたと推計されている。さらに、4カ国の海岸の56%が毎年平均1・8メートルの浸食を受けていると訴えている。

 海岸に暮らす人々の生活を守り、将来的な損失を防ぐためにも、早期の対策が求められている。(フベメ〈ガーナ南東部〉=遠藤雄司