日本は長年、経済成長が低迷して物価が上がらないデフレから脱却できず、「安い日本」という言葉が定着しつつある。だが、ウクライナ危機などによって今年、政府や日本銀行が目標としてきた2%の物価上昇率が実現した。もうデフレは終わったのだろうか。
マクドナルドが売るビッグマックのレシピや大きさはほぼ世界共通だが、国によって価格は異なる。英経済誌「エコノミスト」の調査によれば、今年1月時点の日本のビッグマックの価格は390円で、57カ国中33位。1位のスイス(6・98ドル)の半額以下で、同じアジアのタイ(3・84ドル)、中国(3・83ドル)、韓国(3・81ドル)よりも安い。10年前の320円と比べて21%高くなったが、タイや中国はそれを上回り、各64%、58%(各国通貨建て)も上昇。2000年に5位だった日本の順位は下がる傾向にある。ビッグマックの価格は各国の物価や購買力を測る参考値にすぎないものの、世界と比べると日本の物価水準がどんどん下がっていることは間違いなさそうだ。
なぜ、世界との違いが出たのか。
1990年代初頭にバブルが…
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- 【視点】
「モノの値段があがらないのは、日本人の「心」の問題でもある。」 →このように、デフレを心の問題とするのは誤りである。 単に給料が下がったので、安い物しか売れなくなっただけである。 日本の名目賃金のピークは1997年。2020年=1
- 【解説】
記事のビッグマック指数は1月の数字ということなので、そこから一気に円安が進んだ今の為替レート(1ドル=135円)で計算し直すと、日本の1ビッグマックはなんと2・88ドルと3ドルを切っており、順位はさらに低下していそうです。米国ではこの間、