「いつもの店」襲う円安の波 「パン一つ10円値上げしたところで」

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松田果穂
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 耐えるか、値上げか――。原材料の高騰に長引く物価高、そして急激な円安が、身近な食料品を扱う店に追い打ちをかけている。5月の消費者物価指数の上昇率(前年同月比)は2カ月連続で2%を超えた。年内は値上げが続くとの見方もあり、家計のやりくりにも工夫が求められそうだ。

一体、値上げはいつまで続くのか。私たちの家計にはこれから先、どんな影響が出るのでしょうか。記事の後半では第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生さんが、今日から実践できる節約のコツとともに、今後の見通しを語ります。

「材料費、何もかも高い」 老舗パン店も苦悩

 「10円や20円値上げしたくらいでは、全然意味がない」。東京都荒川区の老舗コッペパン店「みはるや」の店主須藤芳男さん(65)はそう漏らした。

 祖父の代から続く店を継いだ。コッペパンの専門店にして三十数年にわたり、あげパンは160円、総菜パンは200~250円で販売してきた。だが今年3月ごろから、小麦の仕入れ値は急激に2割近く上がった。食用油も、3年前に比べて倍額近くになったという。

 売値で補おうとすればパン1本あたり50~80円は値上げしなければいけないが、「そんな高いものはさすがに売れない」。値上げで客足が遠ざかるのは避けたいとの思いから、消費税の導入時も含めこれまで値上げをせずにやってきた。

 だが限界も近い。「原材料費全体があと1~2割高騰したら、値上げも考えなければ。お客さんがいる限り、値上げせずに続けたいけれど……」と悩む。

 5月の消費者物価指数は前年…

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