第2回京都・祇園祭「鷹山」 196年ぶり復帰にかけた囃子方の原風景
7月に催される京都・祇園祭で、196年ぶりに山鉾(やまほこ)巡行に本格復帰する曳山(ひきやま)がある。江戸後期の暴風雨で壊れ、巡行に出ない「休み山」になっていた「鷹山(たかやま)」だ。新型コロナウイルス感染拡大で中止になっていた山鉾巡行は、今夏3年ぶりにされる。祇園祭山鉾連合会(京都市中京区)によると、これで34基の山鉾がそろい、巡行は江戸時代の姿を取り戻す。
鷹山は、鷹狩(たかが)りをテーマにした曳山で、3体のご神体人形を乗せていたとされる。応仁の乱(1467~77)より前から巡行に参加していたとの記録もある。だが、1826年に暴風雨で壊れ、翌年から休み山に。蛤御門(はまぐりごもん)の変(64年)に伴う大火で曳山本体や装飾品の大半を焼失し、ご神体を飾る「居祭(いまつり)」を続けてきた。
この10年、復興の機運が高まり、有志が2012年に「鷹山の歴史と未来を語る会」を結成。15年に鷹山保存会ができ、古文書や絵画資料をもとに基本設計案を作った。ほかの山鉾から部材を無償で譲り受けるなどして復元を進めてきた。
曳山は重さ約10トン。屋根の上に真松を立てると、高さ約17メートルになる大型の山だ。山鉾は各町に伝わる山車の一種で、鷹山の本格復帰に伴い、山が24基、鉾が10基の計34基となり、前祭(さきまつり、7月17日)と後祭(あとまつり、同24日)に分かれて巡行する。
聞こえてきた笛の音色 平安神宮での出会い
25年前。京都で暮らし始め、初めての夏だった。
地元の祭りに参加するため、平安神宮(京都市左京区)の近くにある公園で笛の練習をしていると、自分とは別の笛の音色が聞こえてきた。男性が長唄を吹いていた。
「どんな笛を吹いているので…
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