銅像に秘められた「西郷愛」 完成から85年 鹿児島市文化財に指定

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加治隼人
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 鹿児島市城山町にある西郷隆盛の銅像が、市の文化財に指定された。鹿児島を代表する郷土の偉人。指定の背景を取材すると、地元出身の記者(32)も知らない「西郷愛」を物語るエピソードがいくつも見えてきた。

 西郷の銅像は市内の繁華街、天文館に隣接する一角にある。芝生に覆われた高さ約7メートルの築山の上に、5メートル超の軍服姿の西郷が立つ。1937年に完成し、いまでは目の前に記念撮影用の広場や観光案内所が設けられ、人気の観光スポットになっている。

 銅像の隣のビルに入るカフェの店内には西郷に関する資料が所狭しと並ぶ。「人望の厚さを物語ってます」。カフェを営む若松宏さんが、築山を造るときに集まった多くの市民を収めた写真を見せてくれた。

 文化財の指定は4月21日。「遅すぎるくらいですよ」。若松さんは、そう語った。

 なぜ、これまで指定されなかったのか。

 鹿児島市教委文化財課の圖師(づし)みゆきさんは「はっきりした理由はわかりません」としつつ、「市民にとってあまりに身近で、当然のように大切にされてきたものだったので、文化財としての価値をきちんと調査していなかったんじゃないでしょうか」と推測する。

 今回の調査のきっかけは数年前、市の文化財課や文化財審議会で「(銅像を含む)彫刻分野の指定を進めないか」との話が出たことだったという。

 市内には大久保利通や五代友厚ら偉人の像が多いが、文化財指定の例はなかった。そこで「第1号は西郷さんに」との意見でまとまったそうだ。

 鹿児島市教委は、銅像の文化…

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