「子ども泣かせるな」匿名手紙入れられた母 開店した泣いてOKの店

前田基行
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 子どもは、泣くのが当たり前。とはいえ、外出先で大泣きされると、母親たちはオロオロしがちだ。

 「そんな母親たちを温かく見守りたい」。ある親子カフェの店長は、プロジェクトを思い立った。名付けて「泣いてもいいん会」だ。

 「外出先で子どもが大泣きしても、お母さんたちが周囲に気兼ねなく、楽しく過ごせるような社会になってほしい」

 前橋市荒牧町の「mamama cafe(まままカフェ)」店長の安藤晃子さん(37)は、こんな思いから、昨秋にプロジェクトを1人で始めた。口を大きく開けて泣く子どもの顔のイラストを描いたステッカーとキーホルダーを製作。店内にステッカーを掲示し、「泣いても大丈夫な店だよ」というメッセージを親に送りつつ、周囲の理解も促している。

 現在、県内の飲食店や子ども食堂など約30カ所が趣旨に賛同。安藤さんはステッカーなどを配っている。

 安藤さん自身、6歳の長女を育てる1児の母だ。

 以前、住んでいたマンションのポストに「子どもを泣かせるな」と匿名の手紙を入れられるなど、子育てに悩んでいた。

 そんな時、親子カフェで親切にしてもらい、救われた気持ちになったという。「子どもを育てるストレスがお母さん一人にのしかかっている。お母さんが安心していられる場所をつくりたい」。2020年7月に新装開店した「まままカフェ」の店長になった。

 店内は、子どもの遊ぶスペースが席ごとに確保されている。子どもが泣き出すと、スタッフがスマホを持って駆けつけ、音量を計測。「飛行機のエンジンの音くらいですね」「地下鉄並みです。呼吸器が丈夫ですね」などと声をかけ、その場を笑いに変えている。

 昨年の夏、店内で子どもの泣き声を測るイベントを開いたところ、好評だった。今年の夏は賛同店にも声をかけ、「泣きリンピック」と題して同時開催することにした。「群馬で泣き声が一番大きな赤ちゃんを決めたい」という。

 安藤さんは現在、運営をほぼ1人でこなす。一緒に運営してくれる人や、協賛店も募集している。キーホルダーは店で無料で配布している。

 「『泣いてもいいん会』を広めて、子育て支援の横のつながりをつくっていきたい」

 問い合わせは、まままカフェ(027・289・2282)へ。(前田基行)