移住女性が徳島県つるぎ町で古民家カフェ 無農薬栽培の茶葉も販売

福家司
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 徳島県つるぎ町貞光のJR貞光駅近くに、古民家を改装したカフェ「茶屋コリトリ」がオープンした。高知県から移住してきた女性が、町内で自ら茶の栽培も手がけ、地域の魅力の発信も目指す。

 店をオープンさせたのは、神奈川県出身で、高知県南国市道の駅の店長を務めていた梅田恵さん(51)。両親の実家がつるぎ町の山間部の一宇地区にあり、夏休みなどによく来ていた。実家では茶を栽培。その味が印象に残っていて、「晩年はここで過ごそう」と決めていたという。

 南国市の「道の駅南国風良里(ふらり)」では、オープン時から20年以上勤めた。コロナ禍で客が激減したのを機に、「これからは雇われて働くのではなく、人の役に立つことをしたい」と、独立を思い立った。

 空き家バンクでJR貞光駅の近くに、築96年という元電器店の木造2階建ての家屋を見つけた。退職金をつぎ込み、1階部分をいす席やソファ席があるカフェに改装した。

 店名は、徳島県美馬市木屋平の剣山への登山口にある地名に由来。「聖なる山、剣山にみそぎをして登った」といういわれにちなみ、「訪れた人に良い気分になって帰ってもらいたい」との思いを込めた。

 メニューは一宇の農家から買い取った茶をメインに、県西部の郷土料理そば米雑炊やアワぜんざいなど。地元産食材にこだわる。得意のタルトなど日替わりスイーツも出す。祖母が残した茶畑で自ら無農薬で茶の栽培にも取り組み、店では茶葉も販売する。

 「過疎や人口流出が続き、一宇では放置された茶畑も目立つが、地域には剣山をはじめ見どころがたくさんある『宝の山』。ストーリーを作って発信したい」。地域で活動する若者を支援し、趣味で続けている雅楽などのイベントなども開きたいという。

 オープン日の23日は、地元客らが詰めかけ、初日限定500円という生姜(しょうが)焼きランチに舌鼓を打った。近くの女性(83)は「店内もちょっと古風で落ち着く。この辺も店が減って寂しくなっているので、町が元気になるきっかけになればいい」と話していた。

 午前11時~午後5時。木、金曜定休。駐車場は数台分しかなく、公共交通機関での来店を呼びかけている。(福家司)