「最も強力な」文書採択でも、広がりきらなかった熱気 核禁条約会議

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ウィーン=高久潤
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 最後の文書の採択が決まると、クメント議長(オーストリア外務省核軍縮担当部長)の安堵(あんど)した表情が会場のモニターに大きく映し出された。ウィーンで23日まで開かれた、核兵器禁止条約の第1回締約国会議。その最終日、「成果」となる政治宣言や批准国の方針を記した「行動計画」がまとまると、参加各国の代表者や市民団体、そして日本から参加した被爆者らが、拍手をして互いをたたえ合った。

 クメント氏も「核兵器の廃絶に関する多国間交渉の文書としては史上最も強力なもの」ができたと振り返った。政治宣言には「核兵器の完全な廃絶を実現するという決意を再確認する」と書き込まれていた。

 核兵器の「完全な廃絶」への道のりは険しい。だがこれは、確かな一歩だ――。そんな前向きな熱気が広がっていた。ただ、それは会場全体に、とは言えなかったと思う。周囲を見回しながら遅れて立ち上がったり、立ち上がっても拍手はしなかったり。参加した83の国・地域のうち、「オブザーバー」の代表者の中には、そんな姿が目立った。

 オブザーバーは、条約の理念…

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