異例の五輪を「静」で映した河瀬監督 カオスを刻んだ異形の記録映画
編集委員・石飛徳樹
昨夏の東京五輪はコロナ禍による延期を始め、無観客、組織委員会会長の辞任など異例ずくめだった。それに伴い、河瀬直美監督が総監督を務めた公式記録映画「東京2020オリンピック」も、「SIDE:A」「SIDE:B」という異例の2本構成になった。(編集委員・石飛徳樹)
無観客の「音」、並ぶ熟年男性、野村萬斎さんの批判
2018年、河瀬監督が選ばれた時、私はこんな記事を書いた。「現代日本への批評性のある作品を。そして河瀬監督らしい極私的な『静』の映画を。組織委が腰を抜かすような物議を醸す作品を作ってこそ、河瀬監督を抜擢(ばってき)した組織委の負託に応えることになる」
ただ、自分の作風を五輪映画…
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- 【視点】
この記事の筆者で、河瀬直美監督にインタビューしている石飛徳樹編集委員と私は、同じ映画担当記者として随分長い付き合いですが、同じ映画に対する評価がまるっきり違うこともしばしば。今回のケースもそれに近いですかね。私の評価は朝日新聞デジタルに連載
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