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1年1組70歳 ヤングケアラーだった私の、2度目の中学生活

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松沢拓樹
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 福岡市の中学校に今春、特別な思いで入学した新入生がいる。五十嵐登代子さん、70歳。1年1組、50音順の出席番号も1番だ。

 午後6時前の授業開始に間に合うように、午後4時半に家を出て、路線バスで学校へ向かう。1コマ40分の授業はあっという間だ。「15分くらいにしか感じない」。

 苦手な数学は「小数点が入ると、頭がこんがらがっちゃう」と避けがちだったが、最近、小テストで満点をとった。「自分を褒めてあげたい」。苦手意識が薄れると、急に楽しい。

 社会の授業では、ロシアのウクライナ侵攻や、ASEAN(東南アジア諸国連合)の話――。教科書には載っていない今の社会情勢も先生が教えてくれる。「きょうは本能寺の変があった日です」と言われると、歴史上の出来事が急に身近に感じられる。

 国語は得意だ。楷書や草書の書写は、筆ペンで書いた。周りの生徒たちに自分からすすんで教えることも増えた。

 「昼休み」には、生徒たちに交じって教頭先生が卓球に没頭する。参加しなくても、見ているだけで楽しい気持ちになる。若い先生のファッションチェックも日課だ。「先生、今日コーディネートあってるね」。午後9時すぎの下校まであっという間に時が過ぎる。

 58年前も中学校には入学した。

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