「史上最速」6月開幕 高校野球兵庫大会 健康重視、日程にゆとり

編集委員・稲崎航一
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 本州では異例の早さだろう。夏の全国高校野球選手権兵庫大会は史上最も早く、25日に開幕した。

 昨年(7月3日)より1週繰り上げた。6月開幕の最大の理由は、熱中症など球児の健康対策だ。日程を長くとることで連戦を回避し、1会場での1日3試合開催を極力なくした。

 兵庫県高野連の高橋滋理事長は「(早期開幕は)5年以上前から考えていた。熱中症は3試合目(14時以降)に特にリスクがある。15時、16時はかなり暑い。選手の健康安全とチームの負担軽減が期待できる」と説明する。

 夏の大会は夕立や豪雨、雷など天候不良の可能性が高い。昨夏、おひざ元の甲子園で開催された第103回全国選手権大会で雨天順延が相次いだことも、県高野連の危機意識を高めた。今回の日程編成により、順延があっても連戦は回避され、できるだけ1会場1日2試合を守るという。

 課題はある。期末試験や学外の試験の時期に重なるほか、6月中に負けて「最後の夏」が終わるのはかわいそうだという声もあったという。

 そんな意見を踏まえつつ、「試験休み」として試合を組まない日を設けるなど対策し、昨年12月には6月最終土曜開幕の方針を加盟校に伝え、準備を進めてきた。

 「1週間500球」の投球数制限、継続試合など球児の健康を守る施策も導入されつつある。だが、地方大会の終盤、特に参加チーム数の多いところはどうしても日程が過密になる。

 例えば167チームが参加した昨夏の大阪大会では、5回戦から準々決勝、準決勝、決勝と5日間で4試合を戦った。

 この日、開会式後の開幕試合で敗れた明石北の角野友昭監督は「例年なら、暑さに慣れながら練習試合や仕上げをする時期で、調整は難しかった」と明かした。

 勝った甲南も次戦は2週間後になる。その間は練習試合ができない。

 このように実施してみて課題は出てくるだろう。ただ、選手の健康を重視した「兵庫モデル」は参考になるのではないか。(編集委員・稲崎航一)