メールを開けた瞬間、淡い期待は打ち砕かれた。
「奨学金の振込はありません」
5月中旬。兵庫県に住む男子学生(19)のもとに届いたのは、奨学金の支給打ち切りを告げる大学からの回答だった。
男子学生が、愛知県内の私立大に入学したのは昨年4月。シングルマザーとして自分と妹を育ててくれた母(53)が仕事を失った翌月だった。
母が働いていた冠婚葬祭関連…
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- 【提案】
増谷さんのいうように、紋切り型の問題は大きいと思います。 苦しい学生を救うという制度の趣旨からいえば、経済的に厳しい学生こそ救うべきなのに、切り捨てる結果になっているのは大きな問題です。取材でもこの記事と同様のケースに出会いました。その学
- 【解説】
この学生のように、同情できる留年であっても、紋切り型に支援が打ち切られることの弊害は、制度設計の段階から指摘されていました。 しかも、最近では、経済的に豊かな家庭の子が、塾などで成績を伸ばして、学費の安い国立大に進む傾向が強まっていま