リベラル派判事の反対意見「バランス捨てた」 米最高裁の中絶判断

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ニューヨーク=中井大助
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 米連邦最高裁は24日、中絶は憲法で保障された権利とした1973年の「ロー対ウェード判決」を全面的に破棄した。多数意見には9人の判事のうち、5人が賛成した。しかし、残る4人はその判断に批判的だった。

 保守派のロバーツ長官は、妊娠15週目までの中絶を規制する法律は認めるという判決の結論に賛同しつつ、「訴訟の結論を決めるのに、この劇的で影響の大きい判決は不必要だ」と指摘。妊娠中絶の権利は残しつつ、「胎児が母体の外で生存できるかどうか」という線引きだけを見直すべきだとした。

 また、多数意見が引用した、人種隔離を認めた判例を覆した例にも言及。「覆した判決は全員一致で、11ページ(の短さ)だった。今回は、そのどちらでもない」と指摘した。

 3人のリベラル派の判事は共同の反対意見を執筆。妊娠中絶の権利を認めた判例は「女性を自立した存在として認め、完全な平等を与えた」としたうえで、胎児の権利とのバランスをはかったと指摘。今回の判決については「そのバランスを捨てる。受精の瞬間から、女性には権利がなく、どのような代償を払ってでも出産を強制させることができるとの立場だ」と強く非難した。

 反対意見はまた、中絶の権利…

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