「今を生きる全員に関係している」 参加者がみた核禁止条約会議

有料会員記事核といのちを考える

岡田真実
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 核兵器を使わせないため、作らせないため、脅しの武器として使わせないためにはどうすればいいのか。

 核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約を批准する国や地域の代表が集まり、「核なき世界」を実現する道のりを話し合う初めての会議が21~23日、オーストリア・ウィーンで開かれた。条約を批准していない国や、NGO関係者らもオブザーバー(傍聴者)として参加。日本からも、長崎・広島の被爆者や市長、核兵器廃絶を目指す若者ら50人以上が、初めての会議の行方を現地で見守った。

 今回の会議を、長崎の被爆者、長崎出身の若者の視点で振り返る。(岡田真実)

 「締約国会議に威力があるのか。発効した核兵器禁止条約に効力があるのか、それを今心配している」。被爆者で医師の朝長万左男さん(79)は渡航を控えた16日、長崎空港で悲観的に話した。

 昨年1月に発効された核禁条約は、わずか1年で大きな壁にぶつかった。

 ウクライナに侵攻したロシアは、核兵器使用をちらつかせ脅し続ける。危機感が高まるなか、「核兵器が使われてはならない」という国際的な規範が確認される一方で、国内では「核共有」の議論が活発になるなど、核兵器を「抑止力」や「パワー」と捉える見方が強まっていた。

 「核保有国を核禁条約にどうやって入れるのか。根本の議論がされるのかに注目したい」。条約の効力を見極めようと、朝長さんは日本を発った。

 会議に先立ち、条約を推進してきた国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が、市民社会フォーラムを開いた。18日から2日間、約100人が演説した。

 会場は熱気を帯びていた。でも朝長さんは、「お祭りみたいやね」。ウィーンに着いてからも、冷静さを崩さなかった。

 21日に始まった締約国会議…

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