丸刈り貫いた登別青嶺の中西選手 3年勝ちなしでも「成長できた」
佐々木洋輔
26日、高校野球南北海道大会室蘭地区Bブロック1回戦、苫小牧高専10―0登別青嶺(五回コールド)
部員10人の登別青嶺で、たった1人の丸刈り頭。中西洸樹選手(3年)にとって、野球を始めた小学4年生から貫くスタイルだ。髪を伸ばす部員が珍しくなくなったが、中西選手は意に介さない。「坊主の方が野球をやるには楽なんで。気にしたこともない」
身長158センチながら、体重63キロとがっしりした体つき。強いスイングを買われ、最後の夏は4番を任された。この日はチーム唯一の長打となる二塁打を放った。外角を当てにいかずに振り抜く練習をしてきた成果が出た。
守備では自らの失策があったが、「ミスは仕方ない。悪い流れを取り返すには声出しだ」と切り替えた。「集中、集中」「一個ずついこう」。通る声がダイヤモンドに響いた。嵯峨裕己監督は「誰よりも野球が好きな選手。3年間休まずに練習に励み、明るく後輩にも慕われていた」と評する。
チームは3年間、公式戦勝ちなし。部員10人で支え合い、それぞれ役割をこなしてきた。「高校野球を通じて成長できた」
丸刈りは卒業するつもりだ。でも。「大学に行って野球を続けたい。好きなんで」(佐々木洋輔)