中学からバッテリー、感謝のキャッチボール 短すぎた五回コールド
神村正史
26日、高校野球北北海道大会北見地区Aブロック1回戦、北見柏陽10―0美幌・斜里・津別(五回コールド)
試合時間1時間22分。美幌・斜里・津別の連合チームの石川智投手と浅野篤史捕手(いずれも斜里)にとっては、短すぎた。
世界自然遺産・知床の玄関口、斜里町出身。小学校から一緒で、中学でバッテリーを組んだ。本来、上手投げの石川投手。昨秋ごろ、肩を痛め、治りはしたもののフォームが崩れた。今春から横手投げに転向した。打者から背中が見えるほど体をひねるトルネード投法も採り入れた。
球速は落ちたが、切れは増した。それでも自信を持てない石川投手。浅野捕手は「球を受けた感じは横手投げがいい」と応じた。
迎えた本番。石川投手は8四球と制球に苦しんだ。投球数は5回で113球に及んだ。「中学からさんざん、いろいろ文句を言ったけれど、嫌な顔をせずにちゃんと受けてくれた。気持ちよく投げられた」と石川投手。
その言葉を浅野捕手は受け止めた。「自分よりも石川の方が野球の能力が高い。石川がアドバイスをくれたことで成長できた」
2人はこれからそれぞれの道へと進む。(神村正史)