インスタ開いてびっくり! 幼い兄弟に王者たちが贈った夢のテニス旅

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内田快
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 福岡県水巻町に住む尾脇一家の身に起こったおとぎ話のようなストーリーだ。

 まず登場するのは兄の勇之介さん(8)、弟の康次郎さん(6)、それから父の康介さん(35)の3人だ。

 兄がテニスを習い始めたのは4歳になったころだった。

 父が何かスポーツをさせたいと考えて、たまたまテニスを選んだ。

 父は、記録用にとインスタグラムにプレー動画をあげ始めた。

 遅れて、弟もテニスを始めた。

 「すごい上手ですね」

 兄弟のプレーを見た国内外のテニスファンからコメントが届くようになった。

 2人は小さいながらもきれいに球をはじき返す。

 父はテニス未経験。兄弟のすごさはよくわからない。

 通う地元のスクールのコーチからは、「足がよく動いて、フォームがきれい」とは言われていた。

 2020年5月。2人のバックハンドの動画を投稿した。

 すると、「ビューティフルバックハンド!」。英語でメッセージが届いた。

 差出人は、ギリシャのステファノス・チチパス(現世界ランキング5位)だった。

 兄は「うれしくてびっくりした」。思いがけない交流の始まりだった。

 翻訳アプリを駆使して、やりとりをした。

 チチパスは連絡をまめに返してくれた。漫画の「ナルト」が好きなことなどを教えてくれた。

 1年半ほど前、今度はインスタグラムのフォロワーの中にテニス界の王者ノバク・ジョコビッチセルビア)の名前を見つけた。

 弟は「強いところが好き」とジョコビッチにあこがれてきた。大喜びだった。

 返信は期待せず弟のバックハンドの動画を送ると、「感動した。いつか一緒にテニスをしたい」と本人から返ってきた。

 アドバイスを時々、くれるようになった。

 兄弟は英語でもっとコミュニケーションを取りたいと、オンラインで英会話も習い始めた。

 21年7月15日、弟の誕生日に合わせて、ジョコビッチがお祝いのメッセージ動画を送ってくれた。

 そして翌日。もっと大きなプレゼントが待っていた。

 ジョコビッチは自身のツイッ…

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