洗濯ばさみは大きなブランコに 見立て作家・田中達也さん初の絵本

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聞き手・松本紗知
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 ミニチュアの作業員が組み立てていく、プラスチックの板と金属の輪。出来上がった「洗濯ばさみ」は、大きなブランコになっていて――。朝ドラ「ひよっこ」のタイトルバックなどで知られる、ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんが、初の絵本「くみたて」(福音館書店)を刊行した。「この本を子どもに読ませれば、新しいおもちゃを買わなくてよくなります」と言う、田中さんの本心とは。

 ――絵本を作ることになったきっかけは。

 福音館書店さんから声をかけてもらったことですが、それ以前にも「絵本を作ってほしい」といったリクエストはSNSのコメントなどでもいただいていました。いつかは作りたいと思っていたので、今回声をかけていただいて、こうして形にすることができて、よかったです。

 ――「くみたて」という、今回のテーマはどのように決まったのでしょうか。

 依頼をいただいた時に、編集者さんから「分解された状態から組み上がっていくのはどうでしょうか」と提案をいただいていて。それを聞いて面白いと思ったので、僕も「いいですね!」と。

 そこからいろいろ話していくなかで、今の内容になっていきました。

 ――「分解」という要素を作品に取り入れるのは、今回が初めてでしょうか。

 そうです。分解すると、そのものが何なのか、はっきり分からない状態になるので、それは普段の見立ての作品では、やってないんですよね。

 ただ、もともとプラモデルが趣味だったこともあって、何だか分からないパーツが組み上がって「おっ!」となるのは、結構好きなんです。だから、自分が好きなテイストに合っていたと思います。

 なおかつ、最初から見立てた状態を見せるよりは、子どもたちにいろいろ考えてもらえるな、と思いました。

 バラバラの状態から、「これは洗濯ばさみになるな」と予想するんだけど、それが裏切られて、洗濯ばさみがブランコになっている。それによって、見立て自体の印象も強くなるんじゃないかと。

「意外にやってなかった」ぐらいが面白い

 ――分解した状態の場面があることで、普段の作品作りと違う難しさはありましたか。

 どこまでバラバラにしていいかというのは悩みました。

 普段の作品の「見立て」もそ…

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