大崎事件4次再審で弁護団が即時抗告 地裁での棄却受け

仙崎信一
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 鹿児島県大崎町で1979年、男性(当時42)の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人と死体遺棄の罪で服役した原口アヤ子さん(95)の第4次再審(裁判のやり直し)請求を棄却した鹿児島地裁の決定は誤りとして、弁護団は27日、福岡高裁宮崎支部即時抗告した。決定を取り消し、再審開始の判断をするよう求めた。

 今回の再審請求で、弁護団は男性は絞殺されたのではなく事故死だと主張。救急救命医の医学鑑定や関係者の供述分析を新証拠として提出したが、鹿児島地裁の中田幹人裁判長は22日、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」として請求を棄却していた。

 弁護団は申立書で、鹿児島地裁の判断について、男性が死亡前に溝に転落して大けがをしたことが死因や死亡時期と深い因果関係がある、とした医学鑑定の意義を正しく理解していないと批判し、「再審請求における新証拠の明白性の判断方法が判例に違反している」とも指摘。弁護団の鴨志田祐美事務局長は「(1~4次の)新旧全証拠の総合評価をやっていないなど、今回の決定には多くの問題点がある」と述べた。

 また、「95歳のアヤ子さんには申し訳なく思うが、弁護団は勝つまで闘い続けるという思いで高裁での闘いに移していきたい」とした。

 確定判決によると、原口さんは当時の夫らと義弟の男性を絞殺し、遺体を牛小屋の堆肥(たいひ)の中に埋めたとされた。懲役10年の刑が確定し服役したが、取り調べ段階から一貫して無実を訴え、再審を求めている。

 原口さんの再審請求は第1次の鹿児島地裁、第3次の一、二審で計3度、再審開始が認められた。第3次では19年に最高裁が一、二審の決定を取り消していた。(仙崎信一)