99%が「評価不能」、ワクチンと死の関係 検証のための仕組みとは

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野口憲太
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 新型コロナワクチンの接種が日本ではじまって約1年半。感染や重症化を予防したとされる一方で、接種後に死亡が報告された人もいる。そのほとんどは接種との因果関係が判断できていない。諸外国には、日本にはない安全性評価の仕組みがあり、導入を求める声も高まっている。(野口憲太)

接種と死亡の因果関係 99%は「評価できない」

 厚生労働省の「副反応検討部会」の資料によると、新型コロナワクチン接種後のタイミングで死亡が報告されたケースは、5月15日までに累計1726人。100万回接種あたり6人ほどの頻度だ。

 では、接種と死亡とに因果関係があるかどうかをみると、「否定できない」が0%、「認められない」が0・6%で、「情報不足などのため評価できない」が99・4%と大半を占めた。

 こうした事例は、国の「副反応疑い報告制度」に基づいて集められる。患者を診た医師は、症状が接種に関連するかもしれないと考えるとき、国への報告が義務となっている。承認前の臨床試験(治験)では見つけられないような、まれな副反応などの早期発見に役立つとされ、新型コロナワクチンでも、心筋炎や心膜炎などについて、海外からの報告とあわせて早い段階での注意喚起につながった。

「接種していない人」との比較ができない

 だが、接種により死亡が増えたのかを検証するには、接種した人と接種していない人の死亡率を比べる必要がある。同制度では「接種した人」の中でもさらに「症状あり」の人の情報しか報告されず、そのような比較ができない。

 6月に開かれた部会では、このような限界の中で、死亡率の比較を試みている。2019年の人口動態統計をもとに、脳卒中や肺塞栓といった特定の症状で、普段はどのくらいの頻度で死者が出ているかを算出。ワクチン接種者でのこれらの症状での死亡が、普段の頻度より高くなっていないことを確認し、「接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」とした。

 ただし、ワクチン接種と異なる目的で集められたデータを、半ば強引に使わざるを得ず、厳密な比較とは言えない。

米VSDで検証→「死亡リスク上昇は見られない」

 米国や北欧諸国には、まれな副反応の早期発見のための仕組みだけでなく、「接種で死亡率は上がるのか」などの仮説検証ができる仕組みもある。

 米国のものは「ワクチン安全…

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