預貯金を株や投資信託へ振り向け、私たちの資産所得を倍増させる。そんな計画を政府が打ち出した。お金が増えるのはありがたいが、失うリスクも増えるならばためらう人もいる。老後資金は不安だが、金利が上がれば預貯金も悪くない。貯蓄から投資へ。なぜ駆り立てられるのだろうか。
日本証券業協会「証券投資に関する全国調査」によると、20歳以上の株式保有率は2021年に13・3%。同じ基準でさかのぼれる06年は13・2%で、この間ほぼ横ばいだ。株・投信・公社債のいずれかを持つ有価証券全体でみても18・3%から19・6%の微増。「貯蓄から投資」は政府が20年にわたり振る旗だが、大きく進まない。
なぜなのか、同じ調査にヒントがある。投資が必要と思わない理由(複数回答)は、損する可能性・知識がない・ギャンブルのようなもの、が上位に並ぶ。よく知らずに買って元本を失う恐れがあるならば、預貯金に置いて日々の仕事に励む。そんな思いの人は少なくなさそうに感じる。
デフレ下、政府も認めた「一定の合理性」
日本銀行の資金循環統計で…
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