上着から出てきたトランプカード ベテラン駐在さんの「勘」が働いた

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比嘉展玖
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 四季折々の景色が楽しめる自然豊かな東京・多摩湖。そのほとりにある駐在所に、警察官人生が残り1年を切った「駐在さん」がいる。

 4月中旬の晴れた日だった。

 原付きバイクに乗って住宅街を見回りしていると、丁字路を左折したところに紺色スーツの男が立っていた。茶色の大きなリュックサックを背負っている。年齢は40代くらいか。

 営業マンにしては大きなリュック。横を通り過ぎてミラーをのぞくと、男は背中を向けて歩き出していた。「避けられている」と直感した。

 男が向かった方向に先回りして待ってみた。だが、姿を現さない。周りをさがしてみると、駐車場の隅に立っているのを見つけた。

 「こんにちは」。声を掛けると、男は会釈した。

地元に密着し、異変がないか目を光らせてきた駐在さん。「警視総監賞」に表彰されたその功績とは?

大きなリュックの中から…

 「地元の方?」と尋ねると、「仕事で(来た)」。「なぜ駐車場に?」との問いには「隣の喫茶店が開くのを待っている」と言う。でも喫茶店は定休日だ。

 持ち物を調べさせてもらうと、スーツの上着のポケットからケースに入っていないバラバラのトランプカードが出てきた。

 「どうしてトランプを持っているの?」。男は答えに詰まりだした。

 リュックの中を見せてもらう…

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