英国は1570円、ドイツは1720円に…日本の最低賃金が低い背景

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三浦惇平 平林大輔 橋本拓樹 友田雄大
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 雇い主が働き手に払うべき最低賃金(時給)について、今年の引き上げ幅の目安を決める議論が28日、始まった。コロナ禍の影響を強く受けた一昨年をのぞき、近年は3%程度の引き上げが続く。異例の物価高の中、例年を超える引き上げ幅になるかが焦点だ。

 医療機器メーカーで働く女性(31)は、都内で一人暮らし。月収は17万円。時給換算すると、都の最低賃金をわずかに上回る程度だ。節約のため、服はすり切れるまで着ている。帰省したら、両親が心配して新しい服を買ってくれた。

 「同級生には親に仕送りしている人もいるのに、情けない。いつまでも親に心配をかけたくない」

 正社員としてフルタイムで働…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年6月29日13時57分 投稿
    【視点】

    もともと日本の最低賃金は、賃金で生きていくことを前提に制定されたとは言い難い経緯がある。 1959年に最低賃金法が制定されたとき、下敷きになったのは、1950年代に中小零細企業が「中卒女性労働者」の初任給を決めていた業者間協定だった。