水産、酪農…「いないと回らない」外国人実習生 深刻化する人手不足

有料会員記事参院選2022

編集委員・堀篭俊材
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 みるみるうちに、まな板の上にタコの切り身の山ができた。北海道南西部の寿都町にある水産加工場。中国人の技能実習生2人が慣れた手つきで、唐揚げ用に包丁でさばいていった。

 40歳代の女性2人は3年前、いずれも大学生の子どもを残し来日した。実習を終え、10月に帰国する。息子や娘の学費のために「お金を稼ぎたい」という2人はこう話した。「子どもに会えるのが楽しみ」

 2人が働く「マルトシ吉野商店」の吉野寿彦社長(62)は「彼女たちがいなければ仕事はまったく回らない」という。一時は従業員の半数近い4人の実習生がいた。コロナ禍の昨春に2人が帰国。代わりの実習生は入国できず、人手不足は深刻化した。

2022参院選 北海道の現場から

 3年に1度の参院選が公示され、7月10日投開票されます。昨秋の衆院選に続くコロナ禍での国政選挙ですが、ワクチン接種で徐々に「コロナ後」に目が向く一方、ロシアのウクライナ侵攻で安全保障への関心は急速に高まっています。円安や資源高による物価高で暮らしも揺らいでいます。参院選で問われる政策は何なのか。北海道内の現場を歩き、探りました。

 岸田政権は今年3月、外国人の入国制限を緩和した。しかし吉野社長は「今の中国は働き手が有利な売り手市場で、実習生を募集しても来てくれない」。実習生を受け入れ始めた約10年前より中国は経済が成長し、人材確保は難しい。

 吉野社長が望みをかけるのは、労働者として外国人を受け入れる「特定技能制度」だ。かつて実習生として働いていた40歳代の中国人女性に、特定技能の労働者として再び戻ってきてもらうつもりだという。

 全国の技能実習生は約27万…

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