1948年に創業し、昭和時代の雰囲気が残るレトロな銭湯「笠松湯」(神戸市兵庫区)。「廃業するかどうか、いつも悩んでいます」。3代目店主の初田浩子さんは顔を曇らせる。
50年代は客が風呂に入りきれず、近くに2号店をオープンさせた。だが家庭での風呂の普及に伴い客は次第に減少し、70年ごろに2号店は閉店に。95年の阪神・淡路大震災でも、風呂のない古い家屋が損壊したことで客足が離れたという。
参院選の一票、あなたはどんな思いを込めますか――。商店街で、イベントで、公共施設で。「ひょうごの街」に様々な関心を持って暮らす有権者を訪ね、話を聴きました。
2010年に父の後を継いだが、すでに赤字経営だった。「ずっと赤字続きで、特にコロナ禍の後は『火の車』。私が継いでからお客さんは半減しました」。近くの企業の事業縮小に伴い利用していた工員が減ったこと、客の高齢化、コロナ禍で遠方から銭湯ファンが来られなくなったこと――。原因は様々だと思うが、コロナ禍で客との会話が減ったことも、気持ちを沈ませる。
さらに頭を悩ませているのが…
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