シングルマザーへ支援は? 西成高生198人が政党に質問状
7月10日の参院選投開票を前に、大阪府立西成高校(大阪市西成区)の1年生の生徒らが、「シングルマザー支援にかかわる質問状」をまとめ、主要9党に送った。母子・父子家庭の生徒が多く在籍する同校。生徒たちは質問状を通じ、当事者の思いを政治に届けようとしている。
質問状は、「1年生一同(198人)」で考えた。自分の生活と社会状況を重ねながら貧困問題を学ぶ、同校独自の授業「反貧困学習」で、シングルマザーを取り巻く問題を扱った。そこで、生徒が支援制度に疑問を抱いたのがきっかけだ。1年生は15~16歳で選挙権はないが、教員らが「質問状を出すことも、政治参加の一つの形だ」と考え、作成したという。
母子家庭で暮らすある男子生徒(16)は「父親が、養育費をちゃんと払う法律が必要だと思う。選挙では若者の投票率が低いと聞くけれど、子どもの政策にも目を向けてもらえるように、声を上げることが大切だと思う」と話した。
西成高校の1年生がまとめた質問状は以下の6項目。
①シングルマザーの収入は低く、現在の児童扶養手当は不十分で額を増やす必要があると思いますが、どのように思われますか?
②元夫で養育費を払っているのは2割程度とのことですが、養育費を払うような法律や制度をつくる必要があると思いますが、どのように思われますか?
③シングルマザーに限らず、女性の賃金をもっと高くする必要があると思いますが、どう思われますか?
④シングルマザーは非正規率が高く、非正規労働者の賃金をもっと高くする必要があると思いますが、どう思われますか?
⑤母子家庭の子どもが進学できるように返済しなくていい給付型の奨学金制度を拡充する必要があると思いますが、どう思われますか?
⑥企業や職場もシングルマザーが働きやすいような環境を作る必要があると思いますが、どう思われますか?(加藤あず佐)