レタス王国に根付く「マケ」 3年前に女性で初当選の議員が見た因習

有料会員記事参院選2022

菅沼遼
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 八ケ岳のふもとに位置する長野県川上村。昼夜の寒暖差を利用した高原野菜の一大産地として知られる。

 特にレタスは日本一の生産量を誇ることから「レタス王国」とも呼ばれる。収穫期の6月中旬、村の集落へ向かう道路の両側には畑が広がり、農家と技能実習生とおぼしき人々が収穫作業をしていた。

 そんな山村で3年前に行われた村議選に、1人の女性が立候補した。1991年以来、村で2人目という女性候補。彼女が選挙戦で目の当たりにしたのは、この村で長年続くならわしだった。

 大西たま子さん(70)。30年前、夫の仕事の関係で東京から移住してきた。「山間地にこんなに広い畑が広がっているなんて」と当時、驚いた。

人口4千人の村に数十のマケが存在

 保育士や子育て支援センターの非常勤職員として働いていたが、元々党員だったことから、共産党所属の村議から「後継」を打診され、2019年4月の統一地方選に立候補することになった。

 選挙活動を始めてしばらくすると、違和感を覚えるようになった。立候補した12人の中で女性は自分だけ。おかしいと思ったのはそこではない。学校やスーパーの前でマイクを握っているのもやはり自分だけ。他の候補者と出くわすことがなかったのだ。

 「これがマケの選挙か」

 街頭に出て一人でも多くの人に支持を得ようと訴えた。足を止めて聞いてくれる人もいた。

村長選を左右する「キングメーカー」

 マケとは父系の親戚関係を中…

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年7月3日8時37分 投稿
    【視点】

    以前、ある議員に「東京を基準に考えていては地方選挙をまったく理解できない」と言われたことがあります。辻立ちをしていると真顔で「女なのになんで政治をやっているんだ」と言われることはもちろん、「都市圏から離れるほど選挙は政策論争ではなく人間関係

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