「いつか宝塚歌劇の原作に」 関西の人と文化 小説で光あて続ける

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聞き手・河合真美江 写真・白井伸洋
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 関西を舞台に女性を主人公にした小説を数多く手がけてきた作家の玉岡かおるさん(65)。この春、北前船の画期的な帆を編み出した江戸時代海運業の星、工楽松右衛門(くらくまつえもん)を主人公にした歴史小説「帆神(ほしん)」(新潮社)が新田次郎文学賞に選ばれました。男性を主人公にして挑んだこの作品にも、初恋の人や妻の人生がしっかり書き込まれています。

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 ――松右衛門は兵庫・高砂が生んだ海のヒーローです。

 「業績はすごいのに歴史に埋もれているので、もっと世に出したいと思いました。偉人伝ではなく、玉岡史上最高に魅力的な快男児を書かなくちゃ!というのが目標でした。私自身が松右衛門にほれたから、成功したかな」

 「能力に優れ、こまやかな優しさを持ち、女も男もほれる男です。太い特別な糸で特別な織り方をして、伸縮性に優れた破れない帆を作り出しました。そして、その作り方を独り占めせず、船乗りの安全を優先して、みんなに使えと言った。公共の益を考えたのですね。現代は名をあげてもうけることを追い求めがちです。自分たちに欠けているものは何か、気づかせてくれたのが松右衛門でした」

 ――兵庫の海だけでなく、大阪の川を船で材木を運ぶ場面があり、水の都「浪華(なにわ)」も描かれています。

 「取材のため国土交通省近畿地方整備局の担当事務所に頼んで、中之島と安治川の境で船に乗せてもらいました。松右衛門の船の7ノットというのを体感したくて。意外に速くて、『走る』という感じですよ」

 「大阪では船のメンテナンス…

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