第8回光に見えたフリーランス アマゾン配達、AIで消えた家族の時間

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片田貴也
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 寒さが増した今年2月、神奈川県内の40代男性は軽バンのハンドルを握っていた。

 夜10時過ぎ、ネット通販大手「アマゾン」の荷物を配り終え、自宅に向かう。車を止めていると、スマホのラインの通知が鳴った。

 「お疲れ様です 今日は、お風呂沸いてます」

 母親からの連絡に目を落とす。

 男性はアマゾンの2次下請けの運送会社と業務委託を結んで、フリーランスとして働く。

 両親と子ども2人の5人暮らし。この仕事を選んだのは、家族との時間を作りたいと思ったからだ。

 だが、今は朝7時半に出勤し、1日13時間働く。家族との時間は取れていない。

 「今はラインが、家族を感じられる瞬間ですね」。

 神奈川県で生まれた。高校卒業後、4年間浪人生活を送った後、大学進学をあきらめ、不動産会社の正社員として働いた。

 20代後半で子ども2人ができたが、30代前半に離婚。実家に引っ越して子ども2人と暮らし始めた。

 働く時間に融通が利くと、サービス関連会社に転職し、15年ほど働いた。

 だが、家族との時間はなかった。

 急な呼び出しで休みはつぶれ、会社にかかってくる電話はすべて男性に転送された。イベントの対応で自宅に帰れず、スーツを持って漫画喫茶や車で寝る日が、月に半分くらいあった。

 「24時間働いているようなもの。子どもとは顔を合わせず、70代の親に任せっきりなのがつらかった」。

 このままでいいのか――。そんな思いが募った時、知り合いから進められたのが、フリーランスの配送の仕事だった。

 「フリー」という響きが輝い…

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