教え子の性被害、通報しても解決しなかった 元教員がいきついた答え

小若理恵
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 教員から性暴力を受けた子どもを支援するため、三重県の元小学校教員・大原康彦さん(65)が今年5月、市民団体「声を聴きつなぐ会」を教え子たちと立ち上げた。教え子に30年前の被害を相談され、相手の元教員に事実を認めさせるまで伴走した経験から、「学ぶべき教訓がたくさんある」と話す。

 きっかけは2018年の暮れ、41歳になった教え子の女性が勤め先の小学校を訪ねてきたことだった。

 女性は、30年近く前に隣のクラスに在籍していた6年生。「担任教師から性暴力を受けていた」と告白された。

 大原さんは当時、隣の学級の担任だった。

 教育委員会に通報すれば解決すると信じた。

 しかし、相手は事実を認めず、年度末で退職。調査にあたった教育委員会の担当者から「ここからは一般人同士で解決を」と言われた。

 「覚えていません」と繰り返す相手との間に立ち、粘り強く説得を続けた。相手との面会に立ち会い、「ひざにのせた」「キスをした」などの事実を認めさせた。

 今春退職したのを機に、女性らと市民団体「声を聴きつなぐ会」を立ち上げた。

 体験をもとにつくった「性暴力防止対策」を各地で活用してもらう研修などを始める。最近は、対話に後ろ向きだった地元の教育委員会にも変化が生まれたという。 会への問い合わせはメール(koe.kiku.tsunagu@gmail.comメールする)で。(小若理恵)